今回は、日本に(主に)仕事で滞在している外国人の方々に関するお話です。このような方々は、入管法に基づいて細かく規定された労働資格に基づき、滞在しています。そして、資格の更新(延長)、変更をするといった場合には、出入国管理庁がある程度ガイドラインを示していますが、原則としては法務大臣、すなわち国に広範な裁量があります。つまり、いろいろな要素を判断して、不許可にする、お国に帰ってください、ということができるということです。

 このガイドラインによると、資産をしっかり持っていることや、納税(社会保障費を含む)の義務を怠っていないこと、勤め先の雇用・労働条件が適正であること、素行不良でないこと、などが考慮要素となっています。より具体的には、納税期限に遅れた支払いや、交通事故なども不許可の考慮要素になります。また、勤め先の会社などがしっかり各種法令も守っている必要もある、ということになります。

 つまり、大多数の外国人の方は、何かあればすぐに日本から追い出されてしまうという(まぁこれは当然だと思います)条件の下、生活を切り詰め、まじめに働いて本国の家族に仕送りするなどして、一生懸命日本で暮らしています。また、これらの方々を雇用されている会社の社長さん達も、大量の資料を監督庁に提出するなど、誠実に対応されています。

 何がいいたいのかというと、外国の方が犯罪を犯して報道されると「ほらやっぱり」とかいったり、外国人を雇っている会社の社長さんを「外国人を(違法労働で)コキ使ってボッタくっている」などというのは、完全に勉強不足、ニセ情報に惑わされているとしか言いようがない、ということです。

 頼るところがない、言葉もうまく通じない、明日食べるものがない、となれば、何人であっても生きるために犯罪を犯してしまうものです。日本はもはや外国の方々に働いてもらわないと、回りません。ならば、どうやってそうした方々に日本の法律、慣習、マナーを守ってもらった上で、安穏・快適に暮らしてもらうかを考えるのが得策だと思います。